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「日本での実績なんて関係ない」北村龍平が語る、ハリウッドの監督オーディション 【インタビューPart2】

『NO ONE LIVES ノー・ワン・リヴズ』_2

「(ハリウッドで)1作、2作撮ったからといって、まだまだこれから」「(ようやく)スタートラインに立った」と語った北村龍平監督
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北村龍平監督が、ハリウッド2作目となる『NO ONE LIVES ノー・ワン・リヴズ』(4月27日日本公開)のインタビューに際し、ハリウッドでの監督オーディションについて語った。

渡米して6年。監督は、「身寄りもコネも、向こうでの実績もないまま、大変なことも覚悟の上で行ってるので。やっぱりゼロからやり直してでも何ができるか試してみたいというところだったので。6年くらいかかりましたねぇ、どうしても」と、駆け抜けた年月を振り返る。

「ハリウッドっていうのはとんでもない魔界なので。誰も信用できないという。みんなが笑顔でいながら、後ろから刺してくるみたいな。それでひどい目にあうこともいっぱいあるし、思いがけないトラブルに巻き込まれることもいっぱいあるし。その中でまずは信用できるチームというか、人脈を作ることに集中するしかないと」と、“魔界”での取っ掛かりが大事だと話した。

しかし、これまで日本で撮ってきた実績・キャリアは通用しないのだろうか?

「それは悲しいかな、正直全然意味が無いですね。ハリウッドという所から見ると、簡単に言うと、“どうでもいい”んですよ。決定権を握る上層部のお偉いさんのコミュニティーの中では、別に“知らないよ”っていう話になっちゃうんですよ。なぜなら、ハリウッドには優秀な監督がいっぱいいるし、どんどん出てくるので、そこに食い込んでいくのは並大抵なことではないですけど、まあなんとか、そろそろかなっていう所まで来た感じですかね、やっとね」。

ゼロからのスタート。そんな中で、映画監督としてどのように仕事を掴んでいったのか。

「監督もね、オーディションあるんですよ。僕はそれね、潔いなと思うんですけど、スタッフもキャストも監督も全員オーディションです。(みんな)凄まじい形相ですよ」「この映画だって、脚本があがって、プロデューサーが買って、出資者を探してきて、きっと10人くらいに脚本送ってると思いますよ。ミーティングで、どんな映画、どんなビジョンで作るということを全部プレゼンをして、勝ち残ったヤツが仕事を取るという。健全といえば健全なんです。日本にいるとそういうことってあんまりないので。付き合いの中で、“ナントカちゃん撮って”みたいになっちゃうんで」。

「だって、最初の何年かは辛かったですよ。10年や15年前に見た大作を撮ったヤツと“戦うの? 俺(?)”みたいなのがしょっちゅうあるんですよ。“あの監督じゃん(!)”みたいな。だからどんなプレゼンをするのか考えないといけない。潔いですよね、よくわからないしがらみで負けたってわけではないので。超実力社会ですよ」。

そんな“ハリウッドならではの現実”も経験し、監督に選ばれた後は、今度はスタッフのオーディションだ。

「僕が、“この映画好きだからこの人に会いたい”ってなったら、3~5人くらいに来てもらうんです。どれだけ気が合うかとか、どういう準備をしているかとかが、わかるんですよ」。

「(前作では)オーディションで、マイケル・マンとかスタローンとかと一緒にやってる人が、(プレゼンの場で)巨大パネルを持ってきて、このキャラクターはコレ、このキャラクターはコレっていうふうに、バンバン出してくる。どーんと見せられちゃったら圧倒的な破壊力で、しかも“マイケル・マンとか(と一緒に)やってる人がここまでしてくれるんだ”ってなって決まっちゃうんですよね」。

「一方で、美術の人だったら、過去の作品のブックを持ってきて、こんな作品やってきた、とやるわけです。でも僕が最終的に選んだのは、割と小汚い格好した渋いオッサンで、何にも持ってこないで、最初の30分くらい関係のない話をだーっとしてるだけで、最後の方におもむろにポケットから小さい写真集みたいなものを出して、『こんな感じなんだよな』って。“カッコイイ~、何だそれ?”みたいな。僕はシビれたんですよねぇ(笑)。大層なプレゼンをしたって、それって過去の作品じゃないかって。それと比べたら、そいつは『俺はこんな家(美術)だと思うぜ』『こんな駅(美術)だと思うぜ』って言ったのが良かったんですよね。みんなそれぞれアピールの仕方があって、当然僕もそういうふうに(他人から)見られるわけです。監督でも絵コンテ描いて来る人、写真撮って来る人、ビデオ作って来る人、時と場合によりますけど、いろんなことをやりますよ」と、“超実力社会”の現場の一端を話してくれた。

このようなプロダクションを経て製作されるハリウッド映画。システムは違えど、新作『NO ONE LIVES ノー・ワン・リヴズ』は北村監督らしさのある仕上がりだ。日本での作品とどのように違うのか、その目で確かめてほしい。

文:ハリウッドニュース編集部

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