メリルがオスカーを獲った『マーガレット・サッチャー』の監督インタビュー

『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』のフィリダ・ロイド監督
(c)2011 Pathe’ Productions Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute
メリル・ストリープがアカデミー賞主演女優賞を獲得した『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(3月16日日本公開)のフィリダ・ロイド監督がインタビューに応えた。
英国初の女性首相だったサッチャー氏を描いた本作は一見、“伝記モノ”に見えるが、そう思って鑑賞すると肩透かしを食らうかもしれない。
ロイド監督は、「伝記物語というジャンルは、物語を現実に起きた事実の一覧から切り離すのがとても難しいものですが、この作品に関しては、脚本を読んだ段階でまったく普通とは違う物語で美しく描かれていると思いました」と本作を捉えている。
ストーリーについては、「映画の舞台は現代、マーガレットがようやく(夫の)デニスの洋服などの遺品を手放すことを決意したところで始まる数日間の物語です。その日はとても意味のある日で、彼の持ち物を整理しながら、彼女は自分の過去について振り返ります。これは手放すこと、受け入れること、そしてあきらめることについての物語なんです」と語ってくれた。
また、「これは偉大でありながらもいろいろな面で傷ついているリーダーが主人公の、とてもシェイクスピア風な物語です」とも評した。
英国の女性首相を捉えてはいるが、根底にはひとりの女性の悲喜こもごもを描いている『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』。メリル圧巻の演技は、もちろん見なければ分からない。あれこれ想像をめぐらせながら映画館に足を運びたい。